「揚げ物や洋菓子、パンのバター、ドレッシング、とにかくアブラを止めて、ご飯をたくさん食べてくださいね。」と体重を減らしたい方、糖尿病や高血圧の方、冷え性の方に言います。
ある時、なかなか間食が止められないという女性に「ご飯をたくさん食べると腹持ちがいいから、間食も無理なく減らせますよ。ところで、ご飯をたくさん食べてますか?」と聞くと「たくさん食べてますよ」と。「たくさんって、どれくらい?」と重ねて聞くと、「お茶碗に半分くらいかな」。
それは少なすぎます。「たくさんってお茶碗2杯とか、どんぶり1杯ですよ。たらふく食べてみてください。お腹が減りませんよ。」
みなさん最初は半信半疑ですが、やってみた人は実際にお腹まわりが小さくなって、体重が減っていくので楽しそうです。何しろ、我慢している気分がほとんどありませんから。(から揚げは我慢してもらいますが、ご飯でお腹がいっぱいなので苦にならないそうです。どうしても止められないという人も、食べる個数が激減しています。)コツは、ご飯から食べることです。野菜から食べるなんてやめて、昔習ったようにご飯とおかずとお汁を順に食べると、ちゃんと満腹になります。自動的に間食が激減です。
それでも「糖質制限」「炭水化物は体に悪い」という情報がアタマから抜けない方、ヒムスワースの研究はいかがでしょう。糖尿病死亡率と食事の関係を調べたものです。(明治33年~昭和6年)
糖病病死亡率(少し乱暴な統計ですが)人口10万に対して日本は3.5でアメリカは24でした。日本の食事は(超)高炭水化物低脂肪食(炭水化物85%脂質5%)、アメリカの食事は低炭水化物高脂肪食(炭水化物51%脂質36%)でした。タンパク質の量は総カロリー比で、ほぼ12%と差がありませんでした。
さて、2016年の日本人の比率を見てみると、炭水化物56%脂肪29%です。戦前のアメリカに近づいています。だから糖尿病が激増しているのかと勝手に推測しています。
ヒムスワースの研究では、甘いもの(糖分)が好きな人が糖尿病になっているわけではなく、脂っこいもの(バターやチーズ、肉)が好きな人が糖尿病になっていると結論づけています。
つまり、甘いものは体に悪い、というより、油脂の多い甘いもの(洋菓子はバターと砂糖と小麦粉、卵)が問題ということです。和菓子だからいいわけでもなく、カリントウは油で揚げていますから、ほどほどに。
そして血糖値の上昇にも、アブラが非常に関係しているんです。これは、またの機会に。